中選挙区制から小選挙区比例代表並立制への制度変更が、自民党の非現職候補者公認プロセスおよびその当選傾向にどのような変化をもたらしたかを、仮説検証型の文献から学んだ。
浅野正彦「小選挙区制下における公認の論理」『市民社会における制度改革―選挙制度と候補者リクルート』,木鐸社,2006年
総裁派閥に公認決定権限が集中したことなど、2005年総裁選に見られた公認プロセスの変化は、小選挙区比例代表並立制の特性が顕現化したものと考えるべきである。一方、制度変更に従い、自民党公認が当選確率に与える影響力は減少している。これは、自民党が小選挙区比例代表並立制を得意としていないか、政党/政策中心の選挙戦が未だ展開されていないからであろうと考えられる。(川村)
ある独立変数を有する候補者には、他に特定の独立変数も有している傾向が見られるのではないか。(低学歴の候補者は世襲候補者である可能性が高い、など)
→回帰分析結果表からは検証できない。
総裁に公認に関する権力が集中する傾向の中で、党4役が所属していない派閥属する非現職候補者についても公認確率が高いことについて、その理由を議論した。
仮説検証型論文という社会科学の文献に見られる形式について、その構造について特に詳しく学んだ。(川村)