2005年総選挙について、小泉自民党が圧勝した要因などを中心に概観した。
「2005年総選挙分析—自民党圧勝の構図 地方の刺客が呼んだ「都市の蜂起」」『中央公論』2005年11月号,2005年,pp.108-118 蒲島郁夫・菅原琢
2005年の総選挙を、自民党システムとそれを破壊しようとする小泉氏という対立軸を中心にすえ、都市へのシフトを目指した小泉氏の手法に言及する。そしてそれに伴う自民党の得票の変化に着目している。一方で、民主党は造反選挙区に割って入り漁父の利を得るどころか、むしろ埋没してしまったと説く。公明党や共産党の効果にも触れ、この総選挙こそ自民党の圧勝で影が薄くなったが、両党の支持票の動きはまだ大きな影響を及ぼしうるとしている。(小室)
・自民支持の中に比例を公明に入れている人はいないのか?
→もちろんいる。逆もいて、公明支持で自民に入れない人もいる。
自民党圧勝の理由について、著者が明示したもの、しないものをともに上げながら、それを検証する方法についても話し合った。
初回なので自己紹介を行ったこともあって、時間は押せ押せになった。菅原ゼミ経験者・新人ともに緊張の色が見られたが、議論は初回から予想以上に活発で、今学期も盛り上がること請け合いである。(小室)