▽授業概要

世論調査データを扱った論文をとおして衆院選を分析するとともに、個票データと集計データの特徴について学んだ。

▼課題文献

(1) 蒲島郁夫・谷口将紀・菅原琢「限界に達した?小泉マジック」『論座』2004年5月号, 2004年, pp.18-32.

(2) 谷口将紀・菅原琢・蒲島郁夫「自民にスウィングした柔らかい構造改革派」『論座』2005年11月号, 2005年, pp.93-104.

▼文献要約

(1)
2003年総選挙での民主党の「躍進」は小泉効果で奪われた票の一部を奪い返しただけにすぎない。民主党が二大政党の一翼を担うには、マニフェストによる政権担当能力アピールと支持なし層の獲得を進め、改革の実行者のイメージを奪い取らなければならない。(寺本)

(2)
2005年の衆院選は、小泉自民党が着目した柔らかい構造改革派が民主党から自民党へスウィングし、自民党が民主党に大差をつけて圧勝した。自民党は今後郵政に留まらない広範な改革実現、民主党は党改革を通じた党代表への期待感の醸成が課題として残っている。(三浦)

▼質疑応答例

集計データでも分析手法によっては精度のたかい推定ができるのでは。

→分析手法にもよるが、一般的に個票データを用いたほうが精度が高いとされている。

▼全体討議

前回の内容をふまえつつ、直近3回の衆院選の分析をとおして、次回衆院選で自民党が勝利するためには、どのような方略をとるべきか意見を交換した。

▼今日の授業

調査手法の違いなど、なかなか理解の難しい部分もあったが、後半の全体討議では現在の政治情勢もふまえて様々な意見が飛び出した。(北原)