第4回ゼミ 「世論調査政治の現在」 (2008/11/05)

▽授業概要

世論調査の実態とその実際政治への影響について学んだ

▼課題文献

(1)松本正生「第二章 世論調査というブラックボックス」『世論調査のゆくえ』, 中央公論社, 2003年, pp.76-140

(2)菅原琢「「麻生人気」で自民党は選挙に勝てるのか?」全3回, ザ・選挙, 2008年.

▼文献要約

(1)世論調査は元々人々の潜在的意識、声なき声の調査であり、その結果は方法とともに明示されねばならない。しかし現状では、不在者の多発により面接法の信憑性も低下しており、質を担保できないRDD法が一般的であるにもかかわらず、それについての説明が不十分で、結果が一人歩きしている。(四家)

(2)麻生太郎の首相就任に前後して、マスコミは盛んに「選挙の顔としての麻生人気」を喧伝した。しかしその根拠となる①エピソード②「次の首相」調査③緊急世論調査 のいずれも、計量的に分析をしてみると麻生人気を実態のあるものと裏付けるデータにはならない。よって現在の「麻生人気」は実態を伴わない人気であり、今後の選挙で自民党が支持を得るには、麻生内閣がこれから適切な政策を実行していけるかどうかの方が重要なのである。(渡邊)

▼質疑応答例

Q.なぜ感情温度が50を越えている政治家が存在しないのか?

A.ネット調査であるためバイアスがかかっていると考えられる。

▼全体討議

あまり世間一般では認識されていない、世論調査の手法にスポットを当てて考察した。これをふまえ、妥当であるか疑わしい指標に現代政治が踊らされている現状についても議論した。

▼今日の授業

世論調査の文献は菅原ゼミらしいものだったが、長く、読みこなしもなかなか大変であった。記事集成の進捗具合にも個人差が表れ始めた。(小室)