第8回ゼミ 「特別演習 官僚と政治~政策形成過程の実際」(2008/06/07)

▽授業概要

座学では学べない部分について内閣官房副長官補付参事官補佐の田村一郎さんにお話を伺った

▼課題文献

『官のシステム』大森 彌

(東京大学出版会、2006年)

「第Ⅱ章 変わらぬ大部屋主義の職場組織」飯尾潤

『日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ』(中央公論新社、2007年)

「第Ⅴ章 日本国所管課の活動」飯尾潤

『日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ』(中央公論新社、2007年)

「終章 官のシステムのゆくえ」飯尾潤

『日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ』(中央公論新社、2007年)

▼文献要約

▼質疑応答例

・内閣官房と各省庁の関係について。政治主導のトップダウン的な政策立案を担う内閣官房。これと各省庁からのボトムアップ的な政策立案との間の調整はどうなされているのか?また、内閣官房の職員として期待されている役割と、出身省庁から期待されているとの間に齟齬はあるか?

→内閣官房の仕事はトップダウン的なものの方が多い。また、いくつかの省の所掌事務にまたがることも多い(一つの省におちる法令は減少傾向)。調整は各省の考えと官房長官の考えを踏まえて行われる。内閣官房副長官補>事務次官なので、内閣官房>省。

・中央と地方の関係について。中央の省庁から地方自治体に派遣される官僚はどのような役割を期待されているか?また、地方自治体の政策決定過程に対して、中央省庁はどのような影響を、どのようにして与えるのか?

→むしろ地方のために、県・国と予算とかで戦う。広島市での仕事は財政削減ばかりだった。市長が価値観を押し出していたのは、仕事がしやすかった。政治責任は市長がとってくれるから。地方では課長となり、管理職。全体の仕事の進み方で部下への仕事の負荷を変えた。部下の評価も本人に通知。逆評定もあった

・政官関係、および官僚組織のあり方について政策決定過程において、政党・政治家と官僚組織はどのように役割分担していると感じるか?また、本来それはどうあるべきだと考えるか?『官のシステム』では重要官職への政治任用の導入が提案されているが、そのような改革は官僚組織の在り方や政策決定過程に良好な変化をもたらすか?

→重要官職への政治任用は無駄だと思う。その分野についてよく分かってない人が政治任用されても意味がない。他の政務官と戦えるような人なら別だが。官僚が政治をするのは皆無になるわけには行かないだろう。が、それは本来の役割ではない。省同士の合意が全てっていうのは民主的におかしいから。今から現行体制は変わっていくとは思うが、自分の立つべき位置については未だはっきりしたビジョンがない。

▼全体討議

なし