第6回ゼミ 「 議員の日常活動 」 (2007/11/21)

▽授業概要

議員が普段どのような活動に時間を割いているのか、いはらぎ新聞の議員行動をもとに考察した

▼課題文献

「2章 国会議員の日常活動 」猪口孝・岩井奉信

『「族議員」の研究』より(日本経済新聞社、1987年)

▼文献要約

国会議員の時間配分 はそのキャリアに大きく影響する。茨城県の自民党議員を対象とした研究では、当選回数などによって、活動傾向が大きく異なることがわかった。対次点得票比などを従属変数とする回帰分析を行った結果、選挙に強い議員は東京での活動が多い、などの傾向が見られた。一方、議員の地元でのサービ スは得票にある程度の影響を与えている。有力議員たちは、足りない時間を有効活用することによって、自らの政治的影響力を保っているのである。

▼質疑応答例

・データが少なすぎる上、赤城という特殊なケースも含まれている。正しい予測が成り立つには不備が多い。こういった場合はアンケート調査の力をかりるほうがよいかもしれない。
・「有権者へのサービス」について。定義があいまいである。アンケート調査であるからして(解答した)有権者の主観に左右されていると考えられる。もちろん選挙も同様に主観に影響をうけるので正しいとも言えるが。
またサービスした議員が水戸の議員ではない可能性や、重複している可能性も考えられる。
・冒頭のカーチスの研究はどのように参考となるのか?

→ 一般化は出来ないが、普段見えない面が見えるようになり、仮説をたてるとき参考になる。

▼全体討議

1.回帰分析結果の見方を覚える
2. 対次点得票比という数値は、時空を超えられない(選挙ごと、区ごとに変化する)。なぜなら無風選挙区となったり、選曲定数がことなったり、候補者の与党野党構成、時々の党としての得票への影響がでたりするからである。
  また対時点得票比により議員行動に影響が出るとあるが、次に強い新人が現れる恐れ、今回大勝した反動の恐れなどと、議員の主観と数値の間にはズレがあり、数値がただしく影響を及ぼすものといえないであろう。 このように統計をする場合、選んだ独立変数がほんとうに従属変数に直接の影響を及ぼすのかを判断せねばならない。

▼今日の授業

学園祭直前とあって生徒は多少お疲れモード、いつもの活発な議論はすこしお休み。今回はしっとり技法磨きの一日です。いよいよデータを集める段階にはいる にあたり、緊張感が増していきます。きちんとデータが集められるのか、統計的に有意な結果が得られるのか、社会的に有意義な結論を導き出せるのか? (鈴木)